「AIコンパニオン」(Replika、Character.AI、Cotomoなど)は、対話を通じて感情的な交流を提供することを目的に設計されたAIアプリです。タスク処理や情報検索を主とする一般的なAIとは異なり、ユーザーに継続的な「話し相手」「心の支え」として関わることを志向しています。
私たちは日本の成人14,721名のデータを用いて、AIコンパニオンの利用がウェルビーイングと関連するかを検証しました。その結果、AIコンパニオンの利用者は、人生満足度・幸福感・人生の目的感のいずれにおいても、非利用者より高い傾向が見られました。一方、文章要約や情報検索など、感情的なやり取り以外を目的としたAI利用ではこのような関連は確認されませんでした。
さらに重要なのは、その恩恵は人によって大きく異なることです。孤独感が高い人ほどAIコンパニオン利用と良好なウェルビーイングとの関連が強く現れ、また友人関係が「ある程度はあるが十分ではない」中程度の人で最も顕著でした。逆に、友人関係が極端に乏しい人では恩恵が小さく、AIだけでは関係性の空白を埋めきれない可能性も示唆されています。
これらの結果は、AIコンパニオンが孤独や社会的に脆弱な状況にある人々の心理的支えとなりうる一方、対人関係の代替として機能するわけではないことを示しています。ただし本研究は横断研究のため因果関係は確定できず、AIコンパニオンへの過度な依存や現実の対人関係からの撤退といった長期的リスクの検証は、今後の縦断・介入研究の重要な課題です。
Nakagomi A, Akutsu Y, Yasuoka M, Abe N, Ihara S, Teroh T, Tabuchi T. AI companions and subjective well-being: Moderation by social connectedness and loneliness. Technology in Society. 2026;85:103229. https://doi.org/10.1016/j.techsoc.2026.103229