コロナ禍で広がった高齢者のデジタルディバイド
誰がネットを使い始め、誰が使わなくなったのか — 4,699人を3年間追跡
コロナ禍で広がった高齢者のデジタルディバイド
誰がネットを使い始め、誰が使わなくなったのか — 4,699人を3年間追跡
2020年以降のCOVID-19パンデミックは、生活のあらゆる側面を急速にデジタル化させました。一方で、デジタル技術に馴染みの薄い高齢者にとって、この変化は新たな格差を生む可能性がありました。果たして、コロナ禍を経て高齢者のデジタルディバイドは縮まったのか、それとも広がったのか――。
私たちは、全国コホート研究 JAGES (Japan Gerontological Evaluation Study) のパネルデータ4,699名を用い、2019年(パンデミック前)から2022年(パンデミック後期)までの3年間における4つの利用パターンの変化と、その予測要因を解析しました:
始める ─ 非利用者が利用を開始
やめる ─ 利用者が利用を中止
増やす ─ 非毎日利用者が毎日利用に
減らす ─ 毎日利用者が頻度を下げる
3年間で、非利用者の17.1%がネットを使い始めた一方、利用者の14.8%が利用を停止しました。重要な発見は、年齢・教育・地域人口密度・所得という社会経済的要因が、4つすべてのパターンに一貫して影響を及ぼしていたことです。高齢で、学歴が低く、人口密度の低い地域に住み、所得の低い人は、ネットを使い始めにくく、やめやすく、利用を増やしにくく、減らしやすい――社会経済的に脆弱な層ほど、デジタル化の波の中で取り残されやすい構造が浮かび上がりました。
一方、希望のある発見もありました。地域のサークルやボランティアなどへの社会参加、そして離れて暮らす子どもからのサポートは、ネット利用の開始や継続を後押しする要因として機能していました。つながりは、デジタルディバイドを縮めるレバーになりうるのです。
これらの結果は、デジタルディバイドが個人・位置的・資源的な3次元の不平等から生じることを実証しています。これらは、新たな段階——AI格差——においてもなお同様であり、私たちが研究を続けている理論的基盤となっています。
Nakagomi A, Ide K, Kondo K. Predictors of shifts in Internet use and frequency among older adults in Japan before and in later stages of COVID-19: A longitudinal panel study. New Media & Society. 2026. https://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/14614448241313328
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