社会的孤立者では総死亡リスクが1.20倍、心血管疾患死亡リスクが1.22倍、癌死亡リスクが1.14倍

社会的孤立とは家族やコミュニティとほとんど接触がない状態を指します。社会的孤立の問題点の1つとして健康への悪影響が挙げられ、これまでにも死亡との関連などが報告されてきます。しかし、日本での知見は乏しく、さらに死因別の社会的孤立との関連についてはほとんど報告がありません。千葉大学予防医学センター中込敦士准教授が率いる研究チームは、3万7604人の高齢者を2010年から約6年間追跡し、社会的孤立者ではそうでない方と比較して総死亡リスクが1.20倍、心血管疾患死亡リスクが1.22倍、癌死亡リスクが1.14倍という推計結果を得ました。さらに、社会的孤立の影響を特に受けやすいのは高収入・都市部在住・非婚姻・退職後の高齢者であると推測されました。本研究は社会的孤立がもたらす健康への多様な影響と、孤立対策や介入のターゲットについての示唆を与えるものです。引き続き詳細の分析を進め、健康格差縮小を目指した孤立対策に寄与するエビデンスの生成を目指します。本研究論文は、2024 年 6 月 24 日に JAMA Network OPENで公開されました。

https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/article-abstract/2819250