健康格差とは
Health Gap
Health Gap
2024年4月スタートした健康日本21第3次では「健康寿命の延伸・健康格差の縮小」が目標として掲げられました。
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001158810.pdf
その中で健康格差とは「地域や社会経済状況の違いによる集団における健康状態の差」と定義されています。
健康の社会的決定要因
Social Determinants of Health
Social Determinants of Health
私たちの健康を決めている要因には様々なものがあります。例えば喫煙という健康行動が健康を決めている、という考え方もできますが、なぜその人がたばこを吸っているのか、その背景にある社会的、経済的、地域、国の環境・要因こそが健康を決めていると考えることもできます。さらに、これらの要因は社会のデジタル化によっても大きな影響を受けています。このような健康の社会的決定要因により生じる健康状態の差が「健康格差」なのです。
研究1.メカニズムの解明・介入
学歴や所得の格差が健康に影響を及ぼすことはよく知られています。教育や所得の再分配など格差を縮小する対策も行われています。
一方、学歴や所得により健康格差が生じるメカニズムが分かれば、そのメカニズムに介入するという方法もあります。例えばそのメカニズムの1つとして、
低い社会階層
↓
人や社会とのつながりが少ない
↓
健康・ウェルビーイングが損なわれる
ということが分かれば、人や社会とのつながりを増やす取組を社会階層の低い人に重点的に行う根拠となります。私たちはこのような、メカニズムの解明に取り組んでいます。
研究2. 効果は人により異なる:効果の異質性
一方で、「効果は人により異なる」こともよく知られています。例えば、喫煙をしていても元気に100歳まで生きられる人もいます。これを効果の異質性と言います。
最近、高齢者でスマホやインターネットが健康に良いかもしれないという報告を私たちはしてきました。しかし、スマホやインターネットを利用できているかどうかには明らかな社会経済的な格差が存在します。さらに、使用している人でもスマホやインターネットにより受けられる恩恵に差が存在している可能性があります。このような「効果の異質性」の解明を機械学習(ランダムフォレストなど)を用いて進めています。